2013年3月26日火曜日

チェルノブイリ報告書が日本語で読める
~淡水魚の汚染例を紹介~


日本学術会議による、IAEAのチェルノブイリ事故20年の報告書の、日本語訳無料公開の記事が、朝日に掲載されました。
 IAEAのあり方に批判的な立場の人たちにとっても、この報告書は目を通しておく価値のあるものだと思います。 http://www.scj.go.jp/
 たとえば、キエフ貯水湖における淡水魚の汚染の追跡データは役に立ちます(日本語版報告書の93,94ページ参照。下のグラフは一部筆者が画像等を追加したもの)。
 このグラフを見ると、事故の翌年に肉食魚のセシウム137の生物濃縮はピークを迎えていること、事故後5~6年後までその汚染レベルが高いこと、肉食・非肉食を問わず、事故後15年たっても(2000年)体内のセシウム濃度は事故前のレベルには戻っていないこと、などがわかります。淡水魚は海水魚に比べてミネラル不足気味なので、セシウムを体内に取り込みやすい、と言われています。


 淡水魚の汚染に関しては、「12日報告会に70名超参加! 淡水魚汚染について、いち早く紹介!」 http://kyoto-sien.blogspot.jp/2011/05/1270.htmlという2011年5月15日付のブログ記事もご参照ください。(滝澤)

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チェルノブイリ報告書を日本語で HPで無料閲覧可能
 (朝日 2013.3.25)


 【瀬川茂子】日本学術会議は25日、チェルノブイリ事故の汚染地域について、20年にわたる膨大なデータに基づく研究をまとめた報告書の翻訳版を作成したと発表した。ホームページ(http://www.scj.go.jp/)から無料で閲覧できる。

 この報告書は「チェルノブイリ原発事故による環境への影響とその修復――20年の経験」。国際原子力機関(IAEA)や世界保健機関(WHO)などの専門家グループが2006年に出版した。日本でも東日本大震災後、農林水産業などの専門家の多くが放射能対策の参考にしてきた。

 原発事故の状況、汚染の広がり、農林水産業や都市生活、動植物に与えた影響、人体被曝(ひばく)の推定、放射能対策など幅広い専門分野を網羅している。翻訳を呼びかけたスウェーデン国立スペース物理研究所の山内正敏研究員は「専門家だけでなく、高校生や大学生にも読んでほしい」としている。

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